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【福祉未来価値創大賞2017 大阪府知事賞 大賞】チームひふみんでSDGsに挑戦!

2018.12.4 tue

株式会社一二三工業所× NPO法人真成会、 株式会社シュクレサレ

■参加動機
障がいのある方の就労体験受け入れを行った事が始めのきっかけでした。弊社はまだ20名程度の会社ですので、雇用の義務はありませんが、障がいある方にも会社として何かできないかと考えていた時に、就労体験受け入れ先を探していることを知り、受け入れてみました。その方には1週間の受け入れで事務を手伝って頂いたのですが、日常会話の中からその方がイラストが得意だと聞き、弊社のマスコットキャラクターを描いてみてくれないかと頼んだところ、2日後にはキャラクターを作ってくれました。弊社は給排水衛生設備工事、空調設備工事を主の事業として行っているため、水陸両性であり、強くて大きいけれど優しさもあるカバの「ひふみん」が誕生しました。この「ひふみん」がとにかくかわいいので、このキャラクターを活かしたノベルティグッズを作って会社のPRをしたいと思いました。ちょうどその時「福祉未来価値創造大賞」の話を聞き、ノベルティグッズも作れると教えて頂きましたので、参加することにしました。
▲オリジナルキャラクター「ひふみん」

■企業課題とマッチング経緯
企業ニーズとしては、とにかく「ひふみん」のかわいさを活かしたグッズを開発したいという思いがありました。何を作るかはまだ決まっていませんでしたが、あらゆる軽作業を得意としている真成会様から「メモ帳」が作れます、と提案をいただきました。またハンドメイド小物制作を得意とするシュクレサレ様から毛糸で作る「アクリルたわし」の提案を頂き、マッチングが実現しました。「メモ帳」の制作は真成会様も初めてでしたので、作り方を学び試作を何度か作って大きさや作れる個数を割り出しました。「アクリルたわし」ではひふみんの形を表現することが難しく、初めは支援員の方で何度も試作を行いました。ある程度、大きさや形状が決まった段階で、実際に使用して頂き使用感をフィードバックし、現在の「アクリルたわし」が出来上がりました。週に1度程ミーティングを行い、3ヶ月程度で商品開発まで行うことができました。
▲ひふみんのアクリルたわし
▲ひふみんのメモ帳
■工賃向上プラン
●メモ帳 
仕入れ値 100円
<内訳>
カバー印刷代 32円
メモ用紙代  30円
貼り合わせ作業工賃 18円
平均工賃9倍のお仕事発注
年間を通じた発注

メモ帳制作を依頼した真成会様では、軽作業の平均工賃が1作業2~3円ですが、弊社のお仕事では1つのメモ帳制作で18円でお願いしています。これは平均工賃の約9倍となっています。また単発での仕事が多いなか、真成会様でも無理のない範囲である年間1,000冊(18,000円)発注数を決めることで、年間を通じた発注を実現しました。

●アクリルたわし
仕入れ値 500円
<内訳>
材料費 60円
制作費 440円
平均時給工賃1.5倍のお仕事発注
年間を通じた発注
確実発注

アクリルたわしの制作を依頼したシュクレサレ様は、ハンドメイド小物を制作し、販売していますが、制作しても売れないことがあります。売れないと作った方のモチベーションも下がってしまいますが、アクリルたわしは発注し買い取りますので、作った分だけ工賃に充てることができます。またメモ帳同様、シュクレサレ様で無理のない範囲で年間60個の発注をすることで年間を通じた発注を実現しました。

■事業プラン
弊社はBtoBのお仕事が多いのですが、今後はBtoCのお仕事を増やしていきたいと考えています。そこで、メモ帳は営業訪問時のノベルティとしてプレゼントします。アクリルたわしはBtoCのお客様に対してはプレゼントします。アクリルたわしを使うことで余分な水や洗剤を使わないで済みますので、水まわりの工事と同時に、水にまつわる環境問題に目を向けてもらおうと考えています。アクリルたわし単品でもかわいいので、欲しいという声も頂きましたので、1つ800円で販売も始めました。当初は弊社の企業PRと考えていましたが、今後は国連が設定した17の目標(ゴール)が持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)のひとつである「安全な水とトイレを世界中に」に取り組みます。
その方法は同業者にも水の啓蒙活動の促進を提案し、そのツールとして「ひふみん」グッズを利用して頂きます。こうすることでグッズによる収益をあげるだけで
なく、より幅広く社会に貢献できる事業が展開できます。
▲事業プラン図


■参加後の感想
株式会社 一二三工業所 一二 健夫 氏 (写真左から2番目)

福祉事業所と企業という立場を超えて、チームが一丸となって一つのプロジェクトを創り上げられたことに大変喜びを感じました。どちらかが一方的に支援を受けるというような関係ではなく、お互いに応援し合い、補完し合える新たな関係性を築くことが出来たと思います。一生懸命にノベルティグッズを制作いただいた姿に、改めて「仕事」の素晴らしさを感じ、共に働くことが当たり前にできる社会づくりを目指したいと思わされました。
今回発表したプランを遂行し、さらに向上していくことで、「福祉未来価値の創造」がより広く伝わっていくことに貢献したいと思います。