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【福祉未来価値創大賞2017 大阪府知事賞 金賞】おいしく食べて社会貢献「ソーシャルミール」を開発!

2018.12.3 mon

マココロ株式会社× 株式会社グリーンファーム

■参加動機
当社もともと1965年2月にみのり食堂として創業し、1978年株式会社四國うどん設立、それから53年経った2016年11月にマココロ株式会社に社名変更しました。それは当社が四國うどんだけではなく、とんかつや、サンドイッチカフェの多角化経営をしていく中で自分達の経営と社名が合わなくなって来たからです。自分達の提供しているものの原点を見直してみると、私たちは色々な商品やサービスを真心で提供しているということに立ち返りました。そして濁りのない真心ということでマココロ株式会社に社名変更いたしました。そんな私たちは社会と会社、会社と個人などのいろんな関係性をマココロを通して大切にしたいという思いで、今までの飲食を提供するだけの会社から「ダイバーシティ」や「6次化」というコンセプトを通じて持続的に社会貢献もしていく会社になろうとしています。「ダイバーシティ」の取り組みの一環で、滋賀県にある、琵琶湖ローイングCLUBさんを応援しています。琵琶湖ローイングCLUBさんは障がい者ボートチーム作り、2020年東京パラリンピック出場に向けて活動されています。2017年にはそのボートチームを応援するために募金活動にチャレンジいたしました。始めた当初は自分達の取り組む意味意義が見出せなかったり、自分達の業務と結びつかなかったりで苦戦しました。しかし、募金をメニューに組み込むことで1ヶ月で、約100,000円の募金を集めることができました。自分達のメニューと連動させて募金活動することの効果の高さや、お客様への理解への高まりを実感し、社会貢献もメニュー化させて取り組めば無理なく行えることを発見いたしました。そのように視野を広げてみると、毎朝、本社の目の前から障がいのある方を乗せたバスが出発していることに気づきました。「私の太陽農園」と書かれたバスはどこで何をされているのかと調べてみると、そこが株式会社グリーンファームさまの「私の太陽農園」さんでした。このようなきっかけから、新たな取り組みがスタートしました。

■企業課題とマッチング経緯
株式会社グリーンファームさまの「私の太陽農園」さんでは、障がいのある方でもしっかり作業できるように考えられた素晴らしい施設となっています。それが独自開発された「高床式砂栽培」です。高床式の設備を開発され、土の位置が腰のあたりまであります。こうすることで車椅子に乗ったままでも作業ができます。もちろんどんな野菜を作ることもできますし、液肥や水の管理も機械化されているため、経験やノウハウに頼らずに農業できるという仕組みになっています。また1年に何度も収穫できる上、お野菜の味も大変美味しいのです。こんな身近にこんな素晴らしい取り組みをされていたことにとても驚きました。その頃たまたま、当社では今までネギを仕入れていた業者さんが廃業されるという課題に直面していました。そこでグリーンファームさまからネギを仕入れることになり、今では月間35kg、年間420kgものネギをおろしていただいています。こうしてグリーンファームさんとの関わりがスタートしました。

■工賃向上プラン
関わっていく中でグリーンファームさんにも課題があることがわかりました。それは野菜の需要はあるのに供給が追いついていないということです。もし、グリーンファームさんが作りやすく、生産性の高いお野菜に絞って生産することができればより効率的に野菜を生産できるのではと思い、グリーンファームさんに効率的で販売したいお野菜のヒアリングをしたところ「小松菜」「青梗菜」
「わさび菜」ということでした。そこで当社でこの3つのお野菜をふんだんに使ったメニューを開発することになりました。
それでできたメニューが「みそちゃんこ鍋」と「カレー鍋」です。冬のメニューとしての導入や、既存のメニューにもあるうどんすきの具材として、12月~2月まで約100食が販売されました。

■事業プラン
私たちもグリーンファームさまも無理なく、そして、お客様に美味しく食べていただくことで社会貢献になるようなメニューを普及させていきたいと考えています。そこで、これを「ソーシャルミールプロジェクト」と名付けました。例えば現在当社で行っている事として2つの方法があります。
1.置き換え
現在既にあるメニューで使用しているお野菜を、グリーンファームさまからの仕入れに転換します。
2.メイン材料として使用
グリーンファームさまで採れる葉野菜をメインの具材としたメニューを開発します。
ソーシャルミールプロジェクトを更に社会に広く普及させて持続の可能性を高めるために、開発したソーシャルミールには認証マークを発行していきます。この加盟店が増えれば、最終的に障がいのある方々の雇用を守ったり、工賃のアップに貢献することができます。
▲事業プラン図

■参加後の感想
マココロ株式会社
かつ辰交野店 店長 溝尻 裕子 氏
率直に自分たちの取り組んでいることが社会的に認められてとても嬉しかったです。マココロもつい最近まで「障がいのあるないに関らず一緒に豊かな暮らしを作りたい!」という気持ちはあっても何をすればいいかわからないという状況でした。その中でもなんとか活動を進めていった結果、私たち飲食業としてできることが見つかって本当に良かったです。今まで、このような取り組みをしたことも発表したこともありませんでした。そのため何をしてどうだったのか、何をすべきかを整理し、まとめるのに苦戦しました。当日、様々な業種の方の話を聞いたり、ビジネスモデルを聞かせていただきとても刺激になりました。これから実績をしっかり作り、このモデルが普及させられるということを証明したいと思っています。