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【福祉未来価値創大賞2019 大阪府知事賞 銀賞】   アートが繋ぐ地域の“ わ”

2020.2.1 sat

ソーシャルビジネスモデル部門
<付加価値型>
社会福祉法人正真会 合同会社工房はんど

正真会がカフェ・レストラン『Café Mahoroba』を運営しているが、そこを拠点として、アートが得意な工房はんどと協働し、カフェ・レストランの集客、地域の活性化に取り組んだ。

■ポイント
障がいある方がデザインした店舗ラッピングやギャラリーを、『Café Mahoroba』に来店された方に触れて頂き、そのデザイナーの想いやデザインひとつひとつのストーリーをスタッフが話すことで、来店者とのコミュニケーションが生まれている。そしてリピーターのお客様が他の来店者に「この絵な…。」とその作品に込められたストーリーを説明する姿も見られる。障がいある方は、自分たちの作品が、地域の中で認められている・評価されているという認識を実感することができている。自信をなくした障がいのある人にとって、評価されること、社会貢献できていることが非常に重要であると考えており、本取り組みの最大のポイントといえる。
■ビジネスモデル
2018 年に初めて福祉未来価値創造大賞に参加し、工房はんどとの出会いで、アートが持つ力を知った。『Café Mahoroba』が地域貢献していくという理念の象徴として、工房はんどからシンボルキャラクター「キリン」の制作提案があった。キリンは子どもを複数の親キリンが協力して育てる習性があるそうで、まさに『Café Mahoroba』の理念の象徴であるそうだ。キャラクターデザインがきっかけで、年間デザイン契約(イベントポスターや年賀状などのデザインを年間5 本)に至った。シンボルキャラクターで店舗ラッピングを行い、『Café Mahoroba』の独自性が生まれた。
ガラス面(3mx8.5x2 面)をウィンドウステッカーで、店内の壁紙や家具などをそれぞれオリジナル壁紙やデザイン布で装飾した。

また『Café Mahoroba』を拠点に、地域にある遊歩道を活用し、各々が手づくりの作品や製品を展示販売する企画。福祉事業所で働く方の絵画を展示していた際に来店した一般客の声から始まった企画である。手づくり市には複数の福祉事業所に出店して頂き、手作り商品の販売をしたことはもとより、地域住民や企業経営者の有志など、様々な立場の人や組織が協働して取り組むという、ソーシャルビジネスの理想形に近づくことができたイベントであった。
■工賃向上
正真会が工房はんどと年間デザイン契約を、通常工賃の倍額で締結しており、ギャラリーや販促チラシのイラスト作成を行っている。