≪一覧に戻る

【福祉未来価値創大賞2019 大阪府知事賞 銀賞】ココナッツ原料を使った健康レトルトカレー

2020.2.1 sat

ソーシャルビジネスプラン部門
<強みの掛け合わせ型>
株式会社ココウェルx社会福祉法人青葉仁会

ココウェルが持つココナッツオイルやココナッツシュガー、ココナッツミルクパウダーなどの原料を使用し、青葉仁会が持つ食品加工の製造設備とこれまでの経験、ノウハウを活かして、レトルトカレーを製造。完成した製品はココウェルブランドで、全国にある既存取引先、スーパーや百貨店、自然食品店で販売する。

■ポイント
レトルトカレーは多数の商品が販売されているが、ココナッツ製品で代用できる原料はすべて置き換えることで、より健康効果を高めた製品となっている。ココナッツは非常に栄養価が高く、例えばココナッツオイルは天然の中鎖脂肪酸が豊富に含まれているため、体内で燃焼しやすく、脂肪になりにくい優れた脂肪酸である。天然であることから、トランス脂肪酸もゼロ。レトルトカレーの制作は初めてであったが、既に多くの企業のPB 商品を企画製造している青葉仁会の協力の下、試作を重ね「ひよこ豆とトマトのココナッツミルク煮」「ビーガンココナッツミルクカレー」「マッシュルームストロガノフ」の3商品の企画に至った。

■ビジネスプラン
レトルトカレーの市場はカレールーの市場を超え成長ししている。以前のようなジャンクフードのイメージは薄れ、高品質のレトルトカレーも多数販売されるとともに、調理時間が短くて済む加工食品は今後も成長が期待されている。競合も多い分野であるが、ココナッツオイルを含むなど、健康効果が伝わりやすい商品として市場でも差別化できるものと考えている。
< 販売方法>
完成した製品は全てココウェルで買取り、ココウェルブランドでココウェルが全国に持つ既存のスーパーや百貨店、自然食品店(300 ~ 400 店)などの取引先店舗で販売。また自社通販でも販売、自社運営する北堀江にあるカフェでも販売する。
< 販売個数>
製造の最低ロットは300 個程度で、販売価格500 円代を見込んでいる。1 年間は最低1,500 個の販売を目標にとし、その後販売数量を拡大していく。レトルトカレーの賞味期限は2 年あるため、販売期間も長く持つことができることも利点。

ココウェルがココナッツ製品を作り、販売するに至ったのはフィリピンのココナッツ農家の貧困問題解決をしたいというところからであった。現在もフィリピンの農家支援は様々行っており、そのような背景から作られたココナッツを、日本の障がいがある方が食品製造をし、社会のニーズにもあった商品を提供することで、日本とフィリピン両国の問題を提起し、商品を通じて消費者に情報を発信することができると考えられている。
■工賃向上
青葉仁会が運営し、カレーの製造を担っているデリカテッセンイーハトーヴでは就労継続支援B 型(定員34 名)、就労移行支援(定員6 名)の福祉事業を行っている。就労継続支援B 型利用者の昨年度の平均工賃は約35,000 円(休みなく生産活動に取り組まれている利用者の平均)であり、また6 名の障害者雇用(最低賃金以上の雇用契約)もおこなっている。新商品の開発により、作業量も増えるため、さらなる利用者工賃の増加と障害者雇用人数の増加を見込んでいる。