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クラフト資材の提供、イベント運営

2018.12.3 mon

阪神調剤ホールディング株式会社× NPO法人ザ・ホープフル、株式会社シュクレサレ

■参加動機
弊社は全国で約400店舗の調剤薬局を運営しています。創業以来薬局一筋で行ってきましたが、2017年6月に新たな試みとして「ちしまメディカルパーク」を大阪市大正区にオープンしました。メディカルパークには、調剤薬局はもちろん、クリニック(現在2店舗)とイベントスペースを併設しています。健康なうちから気軽に来てもらえる環境をつくり、病気になったらまずは薬剤師に相談できる場をつくり地域に貢献していきたいという想いからつくりました。健康なうちから健康のために取り組んでいく活動を「健活」と名付け、月に1度は健活の日を設け、地域の方向けのワークショップやセミナーを実施していくこととなりました。そのワークショップのひとつを福祉事業所の方々とコラボできることを知り、是非取り組んでみたいと思いました。

■企業課題とマッチング経緯
地域の高齢者や子ども向けのイベントを行いたく、何ができるかという相談をしたところ、手作り小物制作が得意なシュクレサレ様からは、小物を自由に組み合わせてデコレーションをするオリジナルのフォトフレームやリースづくりの提案を頂きました。
ザ・ホープフル様からは作業所内で既に行っていた「靴下ハギレアート」でのワークショップをご提案頂きました。「靴下ハギレアート」とは奈良県広陵町が靴下の生産が盛んで、靴下の生産過程で出てくるリング状の屑のリサイクルに取り組んでいるものです。このハギレを指編み手芸で工夫次第でいろんな造型を作ることができます。手先を動かしますので手の不自由な方のリハビリや、形を考えることによる頭の体操にもなります。ワークショップをするにあたり「ハギレ」は広陵町靴下振興特別委員会より仕入れます。ただしハギレは大きさや色がバラバラですので、ワークショップをする前にそれらを仕分けする必要があります。仕分けをザ・ホープフルさんに行って頂き、また当日の運営もスタッフの方に行って頂くことでマッチングができました。
ワークショップは1回500円で実施します。その材料を福祉事業所で作成し、ワークショップ当日も運営をお願いしました。手作り小物が得意なシュクレサレ様からは、12月のクリスマスイベントでは「クリスマスリース」を提案頂きました。ワークショップの対象が子ども達ですので、簡単にできる事を考えて頂きました。シュクレサレ様で毛糸でモチーフや毛糸のポンポンを事前に作成し、段ボール紙で作成したリースに貼り付けていくというワークショップができあがりました。実際に12/3(日)に実施しましたが、モチーフがかわいいので、子ども達はどのモチーフを選ぶか迷いながら、また色や大きさのバランスを考えながら作成して頂けました。
■工賃向上プラン
弊社のイベントスペースでのイベントを行なう場合での試算です。イベント参加者からは参加費500円を頂戴
します。それぞれ材料費は100円〜150円以内で考えていただき、残りをモチーフづくりやハギレの選別作業にあてて頂きます。それらの作業を2時間程度で押さえると350円〜400円を工賃としてお支払できます。
ワークショップを教える側として障がいのある方も、スタッフとして来て頂くことで、社会復帰への訓練にも繋がります。また実際、自分達が作ったもの、準備したことを楽しんで参加して下さっている方々の姿を見て、達成感や自分に自信を持って頂くことにも繋がります。
またワークショップ当日は販売エリアも設けて、福祉事業所で制作している商品の販売も可能で、販売額は全て福祉事業所にお渡しします。
イベントスペースでのワークショップを行うことで、以下の3つの事柄が実施できるプランとなりました。
・ワークショップ開催での工賃向上
・ワークショップ時のスタッフとして社会復帰への訓練
・商品販売による売上向上
▲クリスマスリースづくりワークショップ
■事業プラン
阪神調剤薬局としては、イベントスペースに集客することで薬局の認知度が上がり収益につながります。さらに、グループ各店(約400店舗)に対してクラフトイベントを集客用コンテンツとして配信し、実施していきます。
シュクレサレ様とのマッチングの場合、商品として売る場合「品質重視」の視点で評価されますが、クラフトの材料にすることで「目的重視」の視点での評価となり、視点を変えることで使用効率を上げることができます。
さらに、イベント時に小物の展示販売を行うことも可能です。また、薬局付随施設で行われるクラフトイベントは小規模であり、イベント運営スキルを上げる訓練にもなり、実績を上げることで大きな集客施設でイベントを開催できれば更に使用効率が上昇します。
ザ・ホープフル様の場合、これまではリハビリ作業として行っていたことが、色分けした端切れを提供販売して頂くことで利益を得ることができるようになりました。
■参加後の感想
阪神調剤ホールディング株式会社
人事本部 広報企画部長 道上 敬 氏
弊社として何ができるのか、初めは全く分かりませんでしたが、福祉事業所の方からアイディアを頂き、当社として課題にあったイベントスペース活性化のための企画を共に実施できました。イベント実施に関しては事業所のみなさまの方が私どもより慣れていらっしゃるので、とても頼りになりました。今後も多くの方に楽しんで頂けるよりよい企画を一緒に実施していきたいと思います。